カテゴリー: クリーニスタblog

  • ドライソープの投入量

    ドライクリーニングの時に入れる洗剤の量は

    衣類に吸着されて消費する量+衣類の汚れを落とすのに必要な量

    ということになります。

    でも、これを完璧に把握するのは正直無理な話ですよね。

    実際には一度に洗う衣類の量に対して必要なドライソープの量を計算し、汚れの具合などから勘で洗剤量を追加するって感じでしょうか。

    でもそれだとソープ濃度が安定しませんよね。多すぎたり少なすぎたり。

    ソープ濃度が高いと
    衣類に付着する量が増えてべたつきが生じたり、ソープがシミになったりします。
    逆にソープ濃度が低いと
    汚れ落ちが悪くなり、静電気が発生して火災の危険性が高くなります。

    なので、クリーニング屋さんは時々ソープ濃度を測定したりして調整をしています。

    ラスカルが以前使っていたドライクリーニング機には、ソープコントローラーをつけて、自動でソープを調整していました。

    今のドライクリーニング機はさらに高度な性能を持っていて、非常に高い洗浄品質を実現しています。

    どんな機能なの???
    って、それは次回の溶剤管理のお話で。

  • ドライソープを濯がない理由。

    石油系ドライ機のベースタンクにドライ溶剤を満タンにします。

    ドライソープの種類によって濃度は異なりますが、溶剤のおよそ0.3%~0.5%になるようにドライソープをあらかじめ入れておきます。

    要するに常にその量のドライソープが溶剤に溶けているということです。

    そして洗浄する時は洗う洋服の量・汚れの量に対応した量のドライソープを追加投入します。

    ここは普通の水洗いとおんなじですね。

    洗浄時に入れたドライソープが衣類から汚れを引きはがし、ドライソープと汚れが結合した形で溶剤中に溶け出ます。

    これがフィルターに吸着されドライ溶剤から取り除かれます。

    さらに、衣類の繊維にも一定量のドライソープが吸着されます。

    そして、洗浄後絞り終わったあとの溶剤には洗浄前と同じ量のドライソープが残っている。これが理想です。

    ここで疑問がふたつ。

    ①衣類に洗剤が残るのっておかしくない?
    ②洗浄する衣類の汚れと消費されるドライソープの量+衣類に吸着されるドライソープの量を正確に把握するのって難しくない?

    ですね。

    最初の疑問なのですが
    最初から一定量のドライソープを溶かしていることの理由が答えになります。

    石油系のドライ溶剤は灯油をキレイにしたようなものなので引火性があります。
    それを機械の中でポンプで循環させると静電気など爆発の危険があります。
    ドライソープは洗浄剤ではありますが、静電気を防止する成分や衣類の柔軟成分も配合されています。
    またまたお風呂に例えてしまいますが、リンスinシャンプーみたいな感じですね。
    なので常に一定量のソープを溶かしておく必要があるんです。
    それに衣類も乾燥機で回しながら熱を加えるときに気化した溶剤は、可燃性ガスです。
    ここで静電気が発生したらひとたまりもありません。

    なのでドライソープは衣類に一定量残るように工程を組んでいます。
    そして衣類に残っても問題の内容に設計されています。

    では2番目の疑問については。。。?

    次回のお楽しみということで♪

  • ドライ溶剤って捨てないの?

    洗剤を入れて洗った後の水ってどうしてます?

    変なこと聞くなぁ?って思いますよね。

    そう、洋服の汚れが溶けた洗浄液はそのまま排水溝へ捨ててしまいますよね。

    どう考えてもこれが常識。

    でも、ドライクリーニングに使う溶剤はというと、水のように簡単に捨てたりできません。

    なんだかんだ言っても油ですからそのまま捨てちゃうと環境に悪いし、石油系なら燃え上がる可能性もある。
    それに水に比べるとはるかに高価です。

    なので、洗浄後の溶剤は捨てずにフィルターで糸くずやごみ、汚れを取り込んだ洗剤分をろ過し、活性炭で臭いや色・脂肪酸を取り除いてキレイな溶剤に戻して繰り返し使い続けます。

    水洗いが源泉かけ流しの温泉なら、ドライクリーニングは差し詰め循環ろ過式の銭湯といったところでしょうか。

    で、くまもとをはじめ一番多く使われている石油系溶剤の場合、機械の中に1つだけ大きなベースタンクという溶剤を入れるタンクがあるものがほとんど。

    なので

    洋服+洗剤→洗浄→脱液→すすぎ→脱液

    という、普通の工程は行いません。

    どうなるかというと、

    洋服→洗浄;洗剤→(溶剤のろ過)→洗浄+洗剤→脱液

    こんな感じ。わかりにくいですよね^^;

    実際には洗濯槽の中にベースタンクから溶剤を入れ続けながら洗うんです。

    入れ続けていると指定した量以上はオーバーフロー(あふれる)してきます。

    それをろ過してキレイにしてまたベースタンクに戻す。

    これを繰り返していると洗っている間に洋服から溶け出した汚れがどんどんろ過されて、最終的に溶剤がきれいになったタイミングで洗浄終了。

    そう、すすぎって感じがないんですね。

    え?じゃあ洗剤はどうなるの?洋服についたままなの?

    そうなんです。ドライソープと呼ばれる洗浄剤はついたままなんですね。

    それがなぜかはまた今度。

  • 水洗いとドライって何が違うの?

    水は水溶性の汚れを落とすのが得意です。

    逆に油性の汚れは苦手です。

    なので、洗剤の力を借りて油性の汚れにも対応します。

    ドライ溶剤は水とは反対に油性の汚れが得意で水溶性の汚れが苦手なので、こちらもドライソープと呼ばれる洗剤の力を使って対応しています。

    じゃあ何が違うのか?

    繊維に対する浸透性が違うんですね。

    水は分子がとても小さく、繊維の奥深くまで入り込んで汚れを溶かし出します。

    また、比重も重いので洗浄時の力も繊維に強く働きます。

    反対にドライ溶剤はとても分子サイズが大きいので繊維の奥深くまで入り込めませんし、比重が軽いので物理的なダメージを繊維製品に与えません。

    そのため洗浄力では水に及びませんが、洋服を型崩れさせたり縮ませたりシワを寄せたりすることがほとんどないんですね。

    それではまた。

  • おうちでドライクリーニングは出来ません!!

    家でドライクリーニングできますか?

    最近では家庭用の洗濯機に「ドライ」って書いてあったり、洗剤に「ドライ溶剤配合」ってのがあったり。

    ドライクリーニングが何なのかをクリーニング屋さんがきちんと皆さんにお伝えしてこなかったせいで、かなり紛らわしい表現が増えていて、なにがドライクリーニングなのか余計にわかりづらくなってる気がします。

    お洗濯は繊維に吸着した汚れを溶剤*に溶かし出して(脱着)キレイにすること。
    家で使える溶剤は「水」一択ですよね。
    だから家で出来るのは「水洗い」のみ。

    それに対し、ほとんどのクリーニング屋さんには「水」以外の溶剤で洗浄する機械があります。

    それがドライクリーニング機。

    ラスカルの生まれ故郷「くまもと」では地下水保全のためおもに「石油系(ドライゾール)」といわれる溶剤を使っています。

    お洋服の絵表示にある、〇の中にFの記号がこれです。

    このゾールは文字通り石油から生成した「油」なのですが、シンナーとかベンジンのようにさらさらとしていて、すぐに揮発してなくなっちゃう。
    そんな感じの溶剤です。

    そしてラスカルでは洗浄力を上げるため、このゾールに植物由来のリモネンという溶剤を企業秘密な分量配合して使っています。

    じゃあ水洗いとドライってどこが違うの?

    次回はそのあたりをお伝えしますね。

    *ここでは液体くらいの感じでとらえてくださいね♪