洗剤を入れて洗った後の水ってどうしてます? 変なこと聞くなぁ?って思いますよね。 そう、洋服の汚れが溶けた洗浄液はそのまま排水溝へ捨ててしまいますよね。 どう考えてもこれが常識。 でも、ドライクリーニングに使う溶剤はというと、水のように簡単に捨てたりできません。 なんだかんだ言っても油ですからそのまま捨てちゃうと環境に悪いし、石油系なら燃え上がる可能性もある。 それに水に比べるとはるかに高価です。 なので、洗浄後の溶剤は捨てずにフィルターで糸くずやごみ、汚れを取り込んだ洗剤分をろ過し、活性炭で臭いや色・脂肪酸を取り除いてキレイな溶剤に戻して繰り返し使い続けます。 水洗いが源泉かけ流しの温泉なら、ドライクリーニングは差し詰め循環ろ過式の銭湯といったところでしょうか。 で、くまもとをはじめ一番多く使われている石油系溶剤の場合、機械の中に1つだけ大きなベースタンクという溶剤を入れるタンクがあるものがほとんど。 なので 洋服+洗剤→洗浄→脱液→すすぎ→脱液 という、普通の工程は行いません。 どうなるかというと、 洋服→洗浄;洗剤→(溶剤のろ過)→洗浄+洗剤→脱液 こんな感じ。わかりにくいですよね^^; 実際には洗濯槽の中にベースタンクから溶剤を入れ続けながら洗うんです。 入れ続けていると指定した量以上はオーバーフロー(あふれる)してきます。 それをろ過してキレイにしてまたベースタンクに戻す。 これを繰り返していると洗っている間に洋服から溶け出した汚れがどんどんろ過されて、最終的に溶剤がきれいになったタイミングで洗浄終了。 そう、すすぎって感じがないんですね。 え?じゃあ洗剤はどうなるの?洋服についたままなの? そうなんです。ドライソープと呼ばれる洗浄剤はついたままなんですね。 それがなぜかはまた今度。