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ドライクリーニングの理論についてほかのページでお伝えしました。実際に洗浄品質を保つためには
などが必要ですが、これらを手動ですべてをコントロールするのは至難の業です。不可能に近いと言っていいです。そこでラスカルではイタリア・FIRBIMATIC社製のドライゾール用3浴式ホットマシーンを導入しました。高価な機械ですが日本製がないので仕方ない。
ちなみにこのマシーン、九州ではラスカルだけにしかありません!同じ会社のパーク用は数台あるようです。
この機械の特徴は
1.溶剤の管理についてフィルターでのろ過や、カーボンによるにおい・色の吸着をお知らせしていましたが、最も溶剤をきれいにできる方法は蒸留です。ドライゾールは沸点がパークに比べて高いため蒸留をするのに必要な時間が長くなります。それはその分光熱費がかかるということにもなりますが、パークを使えない土地柄も含め最善の方法としてこの機械の導入に踏み切りました。

2.これまでの1浴式コールドマシンと違い、洗浄・すすぎの工程が明確に分かれ、かつ新液に近い蒸留液ですすぎが可能となりますので洗浄品質の向上や残留ソープの安定につながります。(ソープが残りすぎるとべたつき感、少なすぎるとパサつきや静電気)

3.ベースタンクが分かれていますので、色柄物洗浄用・白物洗浄用・蒸留新液用に用途ごとに使用でき、品質の向上につながります。

4.夏場は特に洗浄液温があがりやすく、衣類からの色柄からの染料等の溶出(色泣き・色移り)が起こりやすくなります。そのためこの機械には温度を液温を下げるための機能がついています。
5.乾燥した際に出る気化ガスを4の機能を使って冷却液化し洗浄液として再利用します。回収率は99%以上ですので、溶剤の減少がほとんどなく、1年以上経ついまでも追加の投入を必要としていません。
6.1浴式コールドマシンのベースタンクですと常に一定量のドライソープを溶剤中に混入しており、それが静電気の防止や風合いの維持につながっていますが、溶剤中のドライソープの量は洗浄した衣類の量や汚れの量により減少していきます。そのため減少量を適切に把握して減った分を補いつつ今回の洗浄に必要量を追加してやる必要がありますが、手動で行うのは無理があります。
以前の機械の時はラスカルではセンサーで溶剤中のソープ量を測り、自動で必要量を投入する装置を使っていましたが、今回の機械は洗浄とすすぎがはっきりと分かれているため、一定量の自動投入機能で十分安定したソープ濃度を維持します。

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ドライ溶剤のうちパークは発がん性があるとお伝えしました。そのため洗浄後のドラムから商品を取り出すことなく、そのまま乾燥されて出てきます。そのため作業員はパークで濡れた衣類に触れることはありません。
また、乾燥時の気化したパークのガスも大気中に漏れ出ないよう密閉した機械の中で冷却され、元の液体に戻されて石油系のドライゾールの場合は、環境への影響を指摘されず、規制もありませんのでほとんどの場合洗浄機と乾燥機が別になっています。洗濯機で洗った後に濡れた衣類を取り出して乾燥機に入れて乾燥する。というのと同じ理屈です。このような洗浄機をコールドマシーンと呼んでいます。
このためドライゾールの場合は作業員がゾールに濡れた衣類に触れることになります。また、乾燥機の多くは回収機能(冷却して再び液体に戻す機能)を持ちませんので、気化した溶剤は大気中に放出されます。
日本国内では現在ドライゾール用のホットマシーンは製造されていません。理由はいろいろあると思いますが
などが大きな原因だと思います。
最近はドライゾールの単価が以前の4倍以上になってきているので、回収機能の付いた乾燥機を導入するクリーニング業者も増えてきています。



ドライクリーニングの機械の中身
ドライクリーニングの機械はぱっと見、コインランドリーにあるような横向きのドラム(洗濯槽)があって、見た目は水洗いの機械と大差ありません。
しかし、底の部分にはベースタンクと呼ばれる大きなタンクがあって、ここにドライ溶剤が貯められています。さらに溶剤をくみ上げるてドラムに入れたり、ろ過したりするためのポンプやフィルターなどが装着されています。
▼はドライクリーニングの機械の中で行われていることを模式的に説明したビデオになります
ドライクリーニングは「油」で洗うため、油性の汚れはよく落ちますが、水溶性の汚れはほとんど落とせません。そこでドライソープと呼ばれる洗剤を入れて洗うことで、水溶性の汚れもある程度落とせるようになっています。
また、ドライソープには柔軟剤も配合されていますので、ドライで抜けた繊維そのものの油分を補い、静電気の発生を抑え、風合いよく仕上げることができます。
しかし、多くのドライ機、特に石油系の機械は一浴式と言ってベースタンクが一つしかありませんから、すすぎの工程が水洗いと違って曖昧です。水洗いの場合洗浄後には水を入れ替え、汚れと洗剤をきれいに洗い流すのに対し、ドライでは洗浄後汚れた溶剤が徐々にフィルターやカーボン(活性炭)できれいになっていくという形態です。また、洗剤分は常に溶剤中に一定量保たれるようにしていますので、衣類に一定量残留しています。

これまでお伝えしたように、ドライクリーニングでは溶剤を循環して使いますので、溶剤をきれいにするための「溶剤管理」が欠かせません。
具体的には
また、それ以外にも
などへの注意が必要です。
これら溶剤管理がおろそかになると洗浄力が低下するだけでなく、溶剤の汚れが逆に衣類を汚してしまったり、カビが生える原因となったりします。
しかしこれら溶剤管理の多くは洗浄担当者の経験や勘によるものが多く、安定した洗浄品質を保つことは困難です。
さらに、ドライソープの量やフィルター交換の回数を減らしてコストダウンを図る業者もいなくはありません。
これらの状況をお客様が把握することは困難ですが、クリーニング料金にはこうした目に見えないコストが含まれているということを理解していただきたいと思います。



ドライクリーニングってなに?と聞かれて答えられますか?
ドライは乾いている状態や乾く、乾かすといった意味合いに感じます。じゃあ濡らさずに洗うの?などと、いろいろと疑問がわきますよね。
実はドライという言葉は水洗いのウエットの反対の意味合いで使われています。
水洗い=WET⇔水洗いではない新しい洗い方=DRY
となったようです。ですから、家庭用洗濯機のドライコースや家庭用洗剤のドライ洗剤って、ドライクリーニングとは似ても似つかないものなんです。だって「水」を使わないのがドライクリーニングなんですから(笑)

水洗いは文字通り「水」でお洋服を洗うのですが、ドライクリーニングってなんで洗うのかご存じですか?
実は「油」で洗います。「油」といってもどろどろとしたサラダ油のような感じではなくて、灯油のようにさらさらした油です。
いくつか種類がありますが、ドライクリーニングマークのPとかFとかご存じないですか?Pはパークロロエチレン(パーク)のP。Fは日本では石油系溶剤(ゾール)の意味で使われています。
パークは洗浄力は高く乾燥も早いため多く使われていますが、発がん性が指摘され取り扱いに十分な注意が必要です。
ゾールは洗浄力はマイルドで乾燥もパークに比べ遅いですが、健康被害が少ないことから使いやすい溶剤の一つです。
熊本では地下水汚染の問題から早くからパークの使用を禁止されており、ほぼすべてのクリーニング店がゾールを用いたドライクリーニングを行っています。

水はとても優れた溶剤です。繊維の奥まで浸透しあらゆる汚れを落とします。しかし、その優れた性能から繊維の種類によっては衣類の型崩れや縮みを起こしてしまいます
それに対してドライクリーニングの溶剤は水分子(H2O)よりはるかに分子量が大きいために、繊維内部への浸透力は水に比べ弱く、そのため洗浄力は劣るものの衣類への影響が少ないという性質があります。※
それがどの程度のものなのか、トイレットペーパーの折り鶴で実験してみました。
お分かりのように、向かって左がゾール、向かって右が水でした。 br>
水のほうは当然ドロドロに溶けてしまっていますが、ゾールのほうは全く形を失わずに洗いあがっているのがご覧いただけると思います。
※実際には分子サイズ以外にもさまざまな理由があります
